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2019.6.14 (Fri)

フィラメントのスタンド

愛用している3Dプリンタ「Cube 2nd Gen」。2018年11月に、販売元の生産終了を受けて、国内で販売していたイグアスでもサポート終了となったようで……。

執筆現在は売れてしまったようですが、数日前に5,000円ぐらいでオークションに中古が出てました。
どうも2015年に79,800円(税抜)で買ったらしい。当時買える3Dプリンタとしては安くて小型だったんだよなあ。
探せば安い個体があるかもしれないので、欲しい人は買ってください。いっしょに楽しみましょうw
(追記:購入した他社フィラメントがCube 2nd Genでうまく吐出できないようで、試用時に詰まりを解消するために頻繁にヘッドカバーを開閉したところ、ノズルが加熱しなくなってしまいました。執筆現在で他にも安価でいいプリンターが出てきているので、この機種を購入するのは、結論としては、まあ、あまりオススメしません。)

この3Dプリンタ「Cube 2nd」のフィラメントカートリッジ。

こんな外装の中に原料フィラメントが巻いてあって、それを矢印の方向にヘッドに取り込んで溶かしながら塗り塗りしていく、という仕組みです。
3Dプリンタなんてもっとハイテクなもんかと思いきや、ハード的には案外単純なもの。

こいつが扱える材料にはABS樹脂とPLA樹脂があって……
【ABS樹脂】は一般的なプラスチック(?) 溶かすのに高温が必要で、冷えたときの収縮が大きいので、3Dプリンタでは生成中に反ってしまうなど、扱いが難しい。生成時に悪臭がする。
【PLA樹脂】はトウモロコシのデンプン由来のような素材。低音で溶かすことができ、反りも少ないので出力が安定している。ただ、硬いので割れやすい・高温にさらされると(比較的低温でも)脆くなるという性質も。生成時は砂糖の焦げたような甘い匂いがする。

購入当初はABSを使っていたんだけど、どうにも底部が反ってしまって精密なものが作れない。そこでPLAを使ってみたら、デジスコブラケットなどの精度がほしいものも作れるようになりました。

ところが、このPLA樹脂のフィラメントが、ペキポキと折れやすい。
こんなんなっちゃう。

(手相を強調しているわけではない!)
開封したてのものは安定しているので、出しっぱなしにしておくことで湿度で脆くなるのか、あるいは、カートリッジの最後の方は「巻き」のRがキツくなるので、クセがついちゃってるせいか、そんなところだと思うんですが。
↓例えばヘッドが左にいったときに、ここが曲げられて折れる。もしくは曲がったクセのついたものが伸ばされて折れる(欠陥設計じゃないのかー! と吠えてもサポートはもうない)

生成時の振動で折れることも結構あるんですけど、とにかく数時間たったところで「ABORTED」とか言われるとヘコむ……。

そこで解決策として、外装から取り出して、ロールを上からぶら下げて直接供給する方法で使っていました。

わかりづらいですが、筒状糸巻きのようなもの(3Dプリンタで作った)をナイロンベルトで吊って、そこで回転して供給するようになってます。
生成時にカートリッジ内のチップで装着や残量がチェックされるんですが、殻だけでも認識してくれるんで問題なし。
これはなかなかの安定度で、コンディションの良いものなら折れずに仕上げてくれました。

それでも先日出力しようとしたときに、やはり劣化なのか巻きグセなのか、ペキポキ出力がままならなくなったので、新品のフィラメントを注文しようとしたところ……前述のとおりサポートが終わってしまっていて、フィラメントも販売終了。
去年10月ぐらいにずいぶん安くなっていたので、安くなった! と喜んでいたんですけど、サポート終了を直後に控えた投げ売りだったんですね。

そういうことであれば、他社製のフィラメントをいろんなところで売っているのも知っていたので、そういうのを試してみようかな、と。
純正のものは、本体といっしょに買ったABS樹脂カートリッジが300gほどで6,000円だったのに対して、他社製は1kgで1,500円〜2,000円ちょっとぐらい。純正最後の投げ売りでも300g・1,300円ぐらいなので、だいぶお買い得!(多すぎると、使い切らないうちにまた劣化するんじゃないか、とかいう心配はある)

今回はこれらを注文してみました。

PLA 3Dプリンターフィラメント寸法精度+/- 0.03 mm 1 kgスプール1.75 mm (黒)


Darcos PLA 3Dプリンター フィラメント1.75mm 1kg PLA 3d printer filament (イエロー)
(追記:上記フィラメントはどうもCube 2nd Genではうまく吐出できないようでした)

信仰している宗教の関係上、黄色は大事🐯

問題が2点。
カートリッジの残量管理チップがないことによる「EMPTY」的なエラーの心配と、1kgという重量級フィラメントの設置供給方法。

チップについては裏技が紹介されてました。
まだ残量のあるチップを装着して、出力がはじまったら「中止」を押して「本当に中止する?」の表示のまま放ったらかして(出力は継続する)、その間にチップを物理的に取り外してしまう、というもの。取り外されるのでそのチップの残量は減らず、これを装着し続ければいい。
その表示が出てない状態で外してしまうと、確かエラーになるんですが、中止確認が出ていると継続してくれるんですね。最新ファームでも使えるようなので、これでチップ難民にならなくてすむ……この情報を知らなかったら危ないところだった(載せてくださった方、ありがとうございます!)。

そして、フィラメントロールの設置問題。これが本題です!(前置き長い!)
糸巻きハンガースタイルでやってたわけですが、1kgロールはロールの幅も合わないし、重量的にもそのまま吊るせるものでもなく……。

とりあえず注文しておいたものが、程なく届きました。

一応別メーカーということになってるんだったと思うんですが、なんでこのテクスチャーが同じなんだろ? サイズには微細な違いがあるものの、まあ、これがスタンダードってことになってるんだろうな、と思えます。

みなさん設置&供給(回転)どうしてますかね、と検索してみる。
こういうスタンドタイプや……


こういうルームランナータイプ(?)


スタンドタイプが安定していていいかな? ところで自分も含めて、やっぱりこういう3Dプリンタに使うパーツは3Dプリンタで作ってる人が多い。

では、やってみましょうか! と、なったら善は急げ!! なんせ、手元にある純正PLAが劣化するまえにこしらえてしまわないと、手で抱えて数時間フィラメントを送り続けなければならなくなる!(←そうなったら手頃な市販品を買えばいいんだけど)

なんやかんやでバーンっ!!!!!!

側面をふたつ生成して、底面パーツでつなぐ!

そして、U字部分に筒状のものをセットして回転させる!

いい感じじゃないですかー、と、専用ソフトで出力データに変換したところ、「側面×2・底面・筒状パーツ・筒の留めパーツ」で出力合計20時間15分!
…………それはちょっとやめておきましょう。フィラメントも折れる。心も折れる。

頭を柔らかくして考えましょう。

なにもこんなありふれた形のもの、3Dプリンタで出力することはないんだ、と。

手頃なものを探したら……これだっ(・∀・)ノ!!!

採寸をすませて、ちょっと甘酒ブレイク(直径52mm・高さ104mmぐらいw)

これを筒として使えるようにパーツを考え直して……ついでに体積を減らして……こう!

これなら、ボトムパーツが2時間50分・サイドパーツが4時間20分×2でいける(それでも長いけど)

まあ、とりあえず試しに出してみますかー。

ボトムパーツ完了!

(3時間半かかったじゃないかウソつき!)

サイドパーツいっこ完成!!

Y字の下側のところが少し出力荒れてしまった。斜めの角度がキツイと半分中空に出力するようになるんで、フィラメントが定着できない。あと、本体からの熱で出力ステージを固定している強力厚手タイプ両面テープが軟化してグラグラしてたのも原因のひとつかも(出力後日談:これはデータを修正して、両面テープも見直した)

ボトムとサイドは開けておいた穴を使ってネジ&ナット。ボトムパーツは↑の向きで上側が裏側。ナットを入れる分へこませてある、という設計。

M4ネジのためにモデル上直径5mmで穿孔しておいたんだけど、「ゆるっと入る」穴、「ネジを切りながら掘り進む」穴、それぞれ半々になるぐらい(精度そんなもんだよねー)

もういっこのサイドパーツも完成して(エアコン入れたら斜めがマシだったから、やっぱり両面テープの軟化かな?)、これもネジ止めして…………

完成─────っっっっっっ!!!!!!!

素敵すぎる!!!!!!!(???????)

なかなか完璧ではないでしょうか!(花柄もカワイイ♪)

ちょっとロールの左右に隙間もあるんで、それを埋めるパーツも作ってみましょうか。
とにかくまずは、新たに買ってみたPLAの品質もチェックせねば〜!
(追記:購入した他社フィラメントはCube 2nd Genでうまく吐出できないようでした。)
この記事のURL:
2019.6.24 (Mon)

Anycubic i3 Mega

3Dプリンター買い替えました。
こないだの「Cube 2nd Gen」(前の機種)の純正フィラメントが供給されなくなる問題で、他社製を試してみていたのですが、他社製はペキポキ折れる問題がない代わりに、なにか粘性の高いものになっていて、それが原因でCubeでは出力できず。あの機種は、詰まるとヘッドを半ば分解するぐらいまでこじ開けないとつまり解消できないのですが、そんなことを繰り返しているうちに、ノズルが熱されないようになってしまいました。
サポートも保証もなく、自力修理もちょっと難儀だなあ、ということで買い換えることにします。

決めたのは「Anycubic i3 Mega」 Amazon.co.jpで割引キャンペーンを適用して3万円ちょっとぐらい(購入時点)

Anycubic i3 Mega 3D プリンター 3D高精度printer 大きい プリンタサイズ 構造物取り易いヒートベッド


他には「Prusa i3」「Ender-3」「ダヴィンチ mini w+」などをリストアップしましたが、せっかくの買い替えなので、出力サイズや使用可能なフィラメントの多様さ、ヒートベッド(熱することができる出力ステージ)の有無など、いろいろ考えて……。
「Anycubic i3 Mega-S」というのもあるようですが、本体向かって右側にフィラメントホルダーがある様子などが設置場所に合わない気がして、「S」なしの方に。

6/22の22:00に注文して、6/23の18:00ごろ到着しました。
(はやいっ! ありがとうございます。そして、デカいっ! 重いっ! 翌日が雨予報になっちゃって、降ってないときに来てもらってよかった)


こんなパッケージ。


3Dプリンターの界隈は、いつの間にか「DIY組み立て」なんていう世界にもなっているようですが、この機種は、数箇所を手回しねじで留めて、コネクタをいくつか差すだけで組み立て完了しました。

なんと、こないだ苦労して作ったホルダー様のものが付属しています……(!) よく見ると、作るときに参考にしたやつだw

しかし、そこはせっかく作った「甘酒一号」を使ってみることにしよう……とほほ。

ステージ(ベッド、って言った方がいいのかな)のレベル調整をして(自動の機種もあるみたいだけど、この機種は手動)、フィラメントを通して出力開始。
まずはサンプルでついてくるフクロウのフィギュアを出してみましょう。フィラメントは付属のものではなく、こないだ買った黒のPLAを使ってみる。

動き出した!


(1時間50分ぐらいで)完成。


横の層の感じは、そんなにCube(2nd)とも変わらないぐらいの層。でも、丸みに対する処理が良さそうで、同じものをCubeで出したら、ガビガビしてしまうかもなあ。
これは出力データ(.gcode)を作るときに積層ピッチも変更できそうなので、すごく滑らかにすることもできるのかも。サンプルフクロウはすでに.gcodeデータになっているので、他のものを作るときに改めて設定を変えて試してみよう。
フクロウの耳(?)の裏側、斜めに立ち上がる底面が難しい3Dプリンターで、よくこの出力ができているもんだな、と。性能にも期待しちゃうけど、データに工夫があるのかもしれない。

では続いて、自分のSTLデータの出力を試してみる。
小さいもので、デジスコ用のレリーズステーがいいかな。

円形穿孔の精度が高いですね。いままでM4ネジ用の穴は5mmで穿孔していたけど、もう少し締めてよさそう。

ちょっとモデルの穿孔向きを間違えてたりしてたので、修正して再び。

この「cura」ってソフトでgcodeデータを出します。他にも同様のことができるソフトがある? 「スライサーソフト」っていうんですね。でも、これで特に不満もないかな。
外装の厚さ・中空の密度・ヘッドノズルの温度・ヒートベッドの温度・反りを防止するために一層目に施す「Adhesion」の形状。前の機種で使っていた「Cube Software」に比べて、かなりいろんなパラメータが設定できます。

2パーツに分けて、中にナットを埋め込んだところに、デジスコドットコム社のM5ネジレリーズケーブルを装着する作戦。

本体ブラケット(Cube 2ndで出力)に接続して……。

うん。まあまあ。

本当は汎用テーパーねじレリーズに対応させたいから、また考えてみよう。

出力の速さがだいぶ違うのと、なにより安定して出力できる環境になりました。
これの出力を便利にするための小物をいろいろ作ってみるところから、新たな3Dプリントライフを楽しんでみようかな、と思います。
普段不織布のようなもので覆っておくための補助パーツとか、フィラメントを左側に置きたいので、そっち側から供給するためのガイドとか、そんなものを考えてみましょうかねえ♪
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